一般社団法人日本ポルトガル協会

SOCIEDADE LUSO-NIPÓNICA

会長挨拶

一般社団法人日本ポルトガル協会の会長の四宮信隆と申します。
日本では、ポルトガルとの歴史的な関係を反映し、既に昭和の初めころに「 日葡協会」という友好団体が存在し、交流の歴史などについて学術的な研究や出版、交流活動を行っていたようですが、戦争のあと消滅してしまいました。
戦後、知日家のアルマンド・マルティンス・ジャネイロ大使が日本で勤務しておられた際、日本の多くの文化人や財界の方々と交流をされる中で、1968 年 6 月に現在の「 日本ポルトガル協会」が発足しました。
大航海時代を開いたポルトガル人が日本にも到来し、初めて欧州の文物を伝え、戦国末期の日本に多大な影響を与えたことは、日本人なら皆知っています。また、天正少年使節がリスボンを経由してローマ法王を訪ねた頃より 30 年以上も前に、既にカトリック教徒の日本人青年が法王に謁見し、コインブラの修道院で生涯を終えたこともイエズス会の記録に「 鹿児島のベルナルド」として残っています。
このような歴史の記憶は両国関係にとってかけがえのない財産ですが、さらに近年、ポルトガルは深刻な財政危機やコロナ禍を乗り越えて再生し、日本との関係も新たな発展の可能性を示しつつあるように思われます。ワインや料理、歴史遺産や自然、ファド、アズレージョなどの伝統文化からサッカーや現代建築、さらに再生エネルギーや AI の技術開発などに至るまで、この国は多方面で世界の注目を集めています。また同時に、ポルトガル人の国民性の故か、日本人にとってどこか懐かしさを感じさせる国でもあります。初めて訪れた日本人が、 「この国には、また来てみたい。」と異口同音に語られる声を現地で幾度も耳にいたしました。
「日本ポルトガル協会」は 2018 年に創立 50 周年を祝いましたが、その後コロナ禍で対面の活動が制限される期間を経て、ようやく活発な活動を再開できる状況となっています。
これからも、東京だけではなく全国に存在する「 日本ポルトガル協会」や両国の大使館などの政府機関、さらに各地の文化団体とも連携、協力しながら、ポルトガルの魅力を紹介し、交流の発展に寄与できるような活動を活発に進めていきたいと考えています。
ポルトガルをもっと知りたい、身近に感じてみたい、交流してみたいとお考えになる方には、 「日本ポルトガル協会」という場で、ご一緒に活動していただければと存じます。
引き続き、皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。